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【TBSアナウンサー 蓮見孝之先生より】質問の回答が届きました!

【第11期 第2回講義】
「アナウンサーのお仕事 ~プロフェッショナルとは「準備」のプロである~」

株式会社TBS テレビ
TBSアナウンサー
蓮見孝之 先生

お待たせいたしました! 2024年7月6日に実施した「第2回講義」にご登壇いただいた、株式会社TBS テレビ TBSアナウンサー 蓮見孝之 先生より、皆さんの質問に対する回答が届きました!
蓮見先生の追加の特別講義、ぜひ読んで学んでみてください!

【株式会社TBS テレビ TBSアナウンサー 蓮見孝之 先生が、みんなの質問に答えます!】

★質問1. ニュースの原稿を読んだり、インタビューをしているとき、悲しい気持ちになったり、腹が立つことがあると思いますが、どうやって気持ちを冷静に保って原稿や話を進めていますか。

私はニュースを伝える時に主観や思い込みを省いて、できるだけ淡々と原稿を読むように努めています。目の前のニュースが良いことなのか?悪いことなのか?それを判断するのはニュースを見聞きしている視聴者であってほしいと思うからです。とは言え、やはり当事者から直接お話を伺うインタビューとなると感情が揺れ動くこともあります。嬉しい話題に共感し一緒に笑い合えれば良いのですが、悲しいニュースの場合にはそうはいきません。感情のコントロールはそう簡単ではありません、私たちアナウンサーも人間ですから。

★質問2. アナウンサーの仕事につかなかったら自分に身につかなかったことは何ですか。また、アナウンサーという仕事を通して自身がどう変化し今後どのような人になりたいのかについてを教えてほしいです。

尊敬語や謙譲語といった言葉の使い方、または人を傷つける恐れのある言葉・表現に対する感度が以前よりも上がったと思います。やはり、日頃からアナウンサーという職業を通して気をつけているからだと思います。これから「こうなりたい!」と語れるような目標はありませんが、少なくとも私の妻や子どもたちに恥ずかしくない振る舞いを公私両面で心掛けていきたいです。

★質問3. 野球実況をしている人は、選手の情報だとか近日5試合での打率、長打率、投手の場合で合ったら防御率、対打者成績、雑談など、試合を見ているだけでこれぐらいの情報が必要ですが、どのようにこれらの情報を前調べをしているのですか。

野球実況を担当するアナウンサーは毎日、野球の資料をつけています。試合翌日のスポーツ紙に掲載される全チーム、全選手の成績や情報を個々人の資料に反映させ、常に最新の情報をアップデートしています。ちなみに、アナウンサー一人の力では放送業務は成り立ちません。現場で作業するスタッフが隣で「あと一本打てば〇〇号ホームラン」「ここでCMに入るのでいったん締めてください」など、実況や進行のヒントを与えてくれることもあります。

★質問4. 上手に話せる人は準備ができる人と仰っていましたが、蓮見先生は今までで準備することが面倒だと感じてしまったことはありますか。もしあった場合、どのようにしてその気持ちを払拭しましたか。

面倒だなぁと思うことは多々あります。でも、準備不足は仕事に直結します。準備をすれば必ず成功するとは限りませんが、私は一生懸命準備することで目の前の仕事を大切に思い、こだわりを持ち、責任を持つことができると思っています。時間をかけて準備した分、成功させたい!と思う気持ちも強くなりますし、その準備をチーム全員で協力し合えば、プロジェクトに関わったメンバー全員で喜びを分かち合うこともできるでしょう。

★質問5. 2つの震災を担当して、印象に残っていることや、1つ目と2つ目での蓮見さんの感じた違い、2回目だからこんな風に行動できた、などがあったら知りたいです。

私が臨時ニュースを担当した2011年の東日本大震災と2016年の熊本地震はそれぞれ状況が異なるため一概に比較することはできません。ただし、これらの経験を通して、緊急時の呼びかけを聞いている人たちの様々な状況について想像力を働かせながら伝えていかなければならないと考えています。というのも、全員がテレビを見ているわけではありません。電車や車に乗っている人もいれば、道を歩いている人もいるし、日本語の分からない人や耳の不自由な人もいるかもしれない。どのような表現方法であれば、1人でも多くの人に伝わるか、情報が届くか、これからも考えていきたい点です。

★質問6. 先生がこれまで一番楽しかったリポートは何ですか。一番つらかったリポートのお話があったので、楽しかったリポートも何か聞きたいと思いました。また、一度でいいからこういうニュースを伝えたいというニュースはありますか。

富士山が世界文化遺産に登録されたときに富士登山にチャレンジし山頂から生中継を行ったことです。人生初の富士山登頂でとっても疲れましたが、良い思い出です。下山後に食べた富士宮焼きそばはの味は格別でしたし、その後の入った温泉も最高でした!

★質問7. 蓮見先生は、仕事を選ぶポイントで、なにを重視、大切にしてテレビ局のアナウンサーと言う仕事を選んだのですか。

当時は仕事を選べるような状況ではなく、就職氷河期の真っ只中で、特にアナウンサーの採用試験は倍率も高いので宝くじを買うような気持ちで試験を受けました。もちろん、合格するために様々な準備をしましたが、準備をしたからといって合格するとは限らないので、「テレビが大好き!」という気持ちだけで試験会場に足を運んだというのが正直なところです。

★質問8. 障害がある人や、若くても認知症などがある人は、TBSや他のテレビ局などのアナウンサーやリポーター、テレビ局などに関係ある仕事などをできるんですか。

TBSでは障害のある人も一緒に働いています。ちなみに「障害」といっても、身体的なものから目に見えないものまで様々ですから一概に仕事の適性について申し上げることはできません。ただし、放送局には番組制作の現場以外にも様々な職場・職種がありますから、ご縁があれば、関連のある仕事につける可能性はあります。

★質問9. 最近の朝のテレビ番組のニュースでは、ネットでランキングが上位のものばかり取り上げているように思います。テレビがネットのランキング上位のニュースしか取り上げないのは、報道するニュースに偏りが出ることにならないですか。

重要なご指摘だと思います。朝、昼、夕方、深夜、どの時間帯の番組でもインターネットランキングに準じているようでは、確かに偏った情報しか届けられていないと言えるでしょう。一方で、今現在、テレビの視聴者が激減する中で、テレビ以外の様々なインターネットツールやアプリをつかって情報が送受信されている現状もあります。ですから、ネット上の言論や表現も大事な情報です。可能なかぎり色々な番組を見たり聞いたりして、様々な考え方に触れることが大事だと思います。

★質問10. 私は、生徒会に入っていて、司会など人前に立って喋る機会が多くあります。そのような時に聞き取りやすい喋り方や人を惹きつけるような喋り方はありますか。また、そういった緊張するときのおまじないがあれば教えてください。

全員に届けるのではなく、誰か一人に届けるように話すことがポイントです。その「誰か」を設定することで、話す時のトーンやスピード、言葉遣いなど、伝え方も変わってくると思います。ちなみに私は無くなった祖母をイメージして話しています。落ち着いたトーンで、年配の人にも聞き取れるようにゆっくりとしたスピードで話すようにしています。

蓮見先生の課外講義、いかがでしたか?
蓮見先生、お忙しい中、丁寧にご回答をいただきましてありがとうございました!