11月11日(土)に、第4回講義を実施しました!
少し早いですが、年内最後の講義となる第4回講義は、「さて、そろそろみんなで世界を変えようか〜SDGsの観点から日本でできるアクションを起こそう!~」というテーマのもと、NPO法人HERO代表理事の橋本博司先生にご登壇いただきました。
橋本先生は、カンボジアに学校を作る活動をしているNPO法人HEROの代表を務める他、大学院にも通っており、株式会社の立ち上げもご経験されています。そんな経験豊富な橋本先生がこれまでに訪れた国は、実に40か国以上!
その中でも特に、20歳の時に1人で訪れたカンボジアでの思い出は、今でも鮮明に残っているようで、このエピソードが現在の活動に繋がります。当時のカンボジアでは、内戦の影響で、学校が壊されており、とても子どもたち全員が通える状況ではありませんでした。そのような状況にもかかわらず、目をキラキラさせて夢を語る現地の子どもたちに出会い、40歳までにカンボジアに学校を作ることを決意したそうです。
皆さんはカンボジアがどこにあるかご存じですか?
今回の講義の題名にもある「世界」について知るために、まずは写真を見ながら各国の様子を見ていきました。まずは、アジアの国であるインドです。インドの特徴としては、ヒンドゥー教を信仰している方が多いことです。ヒンドゥー教の考え方では、インドを流れる巨大な川であるガンジス川で亡くなることが一番幸せなことだそうで、川の周辺には火葬場がたくさんあります。そのため、この地域では、貧しくても幸せそうなおじいさんやおばあさんがガンジス川の火葬場で亡くなるために物乞いをしているそうです。
その他にも、中東、ヨーロッパ、南米についてそれぞれの特徴を学びました。中でも、本物のサンタさんに会って写真が撮れるフィンランドは学生からも大人気でした。
世界について学んだ後は、先生が活動をされているカンボジアについて学んでいきます。
カンボジアは、東南アジアに位置し、日本の半分の面積に東京都の人口と同じくらいの人(1600万人)が住んでいます。そんなカンボジアですが、今から50年ほど前に「ポルポト政権下の大虐殺」という事件が起きました。ポルポトは、社会主義者で「国民全員で農業をやれば、みんな平等になるのではないか」という考えのもと、医師や教師などの知識人を虐殺するという政策を行い、多くの小学校を破壊し、学校教育を停止しました。カンボジアの内戦は、1990年代まで続き、橋本先生がカンボジアを訪れた当時も多くの傷を残していました。そこで、橋本先生は、NPO法人HEROを立ち上げ、「可能性0%を1%へ」の理念のもと、授業料教科書代無償の小学校を設立しました。
NPO法人HEROでは、小学校の建設の他にも、花火を打ち上げるイベントの企画などを行っています。
カンボジアでは本来文化祭や体育祭、花火を上げる文化がないため、花火に感動した子どもたちからお礼をもらったこともあるそうです。
ここで、SDGsの観点からカンボジアを見ていきました。カンボジアでは、1日2ドル以下で暮らしている人が半数を占めており、3人に1人が整備されたトイレを使えていないなど現在も多くの問題があります。世界に視野を広げると、1億5000万人もの子どもが栄養不良であったり、13億人もの人が基本的な医療を受けられていなかったりと、現在も多くの人々が苦しんでいます。
ここで橋本先生からクエスチョン。「地球にとっての最大の脅威は何でしょうか?」
現地の学生やコメント欄からは、核やウイルス、AIなどの答えが多く出ました。しかし橋本先生によると、「『誰かが救ってくれる』と信じていること」が最大の脅威であるとのこと。誰かが問題を解決してくれるだろうと思い、みんなが自分ごとに思っていないと何も状況は変わりません。先生は「知らん顔するのはもうやめよう 逃げないで立ち向かおう」というメッセージを掲げ、一人一人が小さなアクションを起こし続けることがとても大切だと教えてくださいました。
一方で「世界よりも自分の方が大変です」と感じる人もいることに触れ、橋本先生はこれに対し「それはチャンスだ!」と言いました。悩みや挫折、病気等があると自分は被害者だと感じるかもしれませんが、一方で誰かの役に立つことにも繋がります。怪我をしたら、怪我をした人の気持ちがわかるチャンスにもなるし、自分の経験を伝えることで誰かの役に立つこともできるのです!この考え方は実際に橋本先生がデング出血熱に罹患し死にかけた経験から得たことだそうです。
最後に「なぜ勉強をするのか?」についてお話いただきました。
先生自身も、この問いについて学生時代に悩んだことがあり先生に聞いたそうですが、中学校から大学まで全ての先生が、いい高校・いい大学・いい会社に入るためだと答えたそうです。しかし、いざ社会に出るとその目標に向けて勉強してきたはずの大人たちがつまらなそうで疲れた様子であり、先生はこの考えは間違いだと感じたのだそう。代わりに学生らには「誰かの役に立つため」に勉強する事が大切なのだと言いました。自分のためだけでなく、身近な人や途上国の人など、誰かのために勉強すると楽しくなります。どんな活動も誰かの役に立つことであり、地球の危機を救うことになると考え、これからも小さなアクションを続けてほしいとのことです。
本講義で学んだことを活かして、学生たちにはどんどんアクションを起こしてもらいたいです。
橋本先生、第4回講義ありがとうございました!
本日の司会進行および冒頭HRの担当者は、学生部実行委員の大津弦将でした!