第12期第5回講義
アフリカにTシャツを送らなかった理由 ~見て、感じて、動きたくなる未来のヒント~
株式会社DOYA 代表取締役/ 特定非営利活動法人CLOUDY 代表理事
銅冶勇人 先生
お待たせいたしました!
2026年2月7に実施した「第12期第5回講義」にご登壇いただいた、株式会社DOYA 代表取締役/ 特定非営利活動法人CLOUDY 代表理事 銅冶勇人先生より、皆さんの質問に対する回答が届きました!
銅冶先生より、お手紙形式でご回答をいただきましたので、今回は、そのまま掲載させていただきます。
銅冶先生の追加の特別講義、ぜひ読んで学んでみてください!
子どもグローバル大学のみなさんへ 銅冶勇人より
たくさんの感想と質問をありがとうございました。
とてもいい質問ばかりで、僕も考えながら答えを書きました。
① 先生のこれまでで最大の挑戦は何ですか?
僕の最大の挑戦は、アフリカで仕事をつくることです。
最初にアフリカに行ったとき、そこには学校に行けない子どもや、仕事が少ない地域がありました。そのとき僕は思いました。
「寄付だけではなく、仕事を作れないだろうか」
でもそれはとても難しい挑戦でした。言葉も文化も違う場所で、誰にも頼まれていないことを始める。うまくいく保証もありませんでした。
それでも現地の人たちと一緒に服を作る会社 CLOUDY をつくりました。
今ではガーナで600人以上の人が働いています。
でも僕は、これが成功だとはまだ思っていません。
挑戦は、まだ途中だからです。
② なぜ大学4年生の時にアフリカに行こうと思ったのですか?
大学4年生のとき、僕は自分の旅のテーマを決めました。
それは
「二度と行かない場所に、二度とできない経験をしに行く」
というものでした。
その頃の僕は音楽やスポーツなどのブラックカルチャーが好きでした。
バスケットボールの選手やヒップホップの音楽など世界で活躍する人たちのルーツがアフリカにあることを知っていたからです。
それで「一度、自分の目で見てみたい」と思ってアフリカに行きました。
正直に言うとそのときは人生をかけて関わることになるとは思っていませんでした。
ただ「ちょっと行ってみよう」という気持ちでした。
でもその小さな一歩が、今の僕の人生につながっています。
だから僕はよくこう思います。やってもやらなくてもいいなら、やってみる。
その一歩が、人生を変えることもあるからです。
③ 現地の人とかかわる時に一番大切にしていることは何ですか?
一番大切にしているのは
「教えに行くのではなく、一緒に考えること」です。
自分や日本の考えがいつも正しいとは限りません。
だからまず
・話を聞く
・文化を知る
・一緒に考える
この順番を大切にしています。
④ なぜ世界中のゴミがアフリカに集まる構造になってしまったんですか?
理由はとてもシンプルです。
安く処理できる場所にゴミが送られるからです。
先進国ではゴミを処理するのにとてもお金がかかります。
一方で、発展途上国ではゴミを受け入れる代わりにお金を受け取る仕組みがあることがあります。国内の産業や経済がまだ十分に発展していない国では、それが仕事や収入の一つになってしまうこともあります。
その結果、ガーナのアグボグブロシーという場所には世界中の電子ゴミが集まってしまいました。でもこれは、アフリカだけの問題ではありません。
世界が作ってしまった仕組みの問題でもあります。
そして実は僕たちが住んでいる国もその仕組みの一部になっています。
だからこそ大事なのは、「誰が悪いか」を探すことではなく
自分たちの暮らしをどう変えるかを考えることだと思います。
例えば
・物を長く使う
・簡単に捨てない
・リサイクルを考える
そんな小さな行動が遠い国の未来にもつながっています。
⑤ 学校が完成した時どんな気持ちでしたか?何が大変でしたか?
完成した時はとても嬉しかったです。
でも一番感じたのは「ここからがスタートだ」
という気持ちでした。
学校は建てて終わりではありません。
・先生
・給食
・運営
・教育
すべて続けていく必要があります。
一番大変なのは続けることです。
何事も、一瞬ではなく継続性を考えることがとっても大事なことなんですね。
⑥ 私たちが今できる支援は何ですか?
一番大事なのは
「世界に興味を持つこと」
です。
そして
・ニュースを見る
・「なぜ?」と考える
・無駄に物を買わない
・フェアトレードの商品を選ぶ
こういう小さな行動が世界を少しずつ変えていきます。
いきなり世界を救う必要はありません。
まず知ることから始めてください。
身の回りに実はできることが溢れています。
⑦ ゴミの山で学校をつくる時、ゴミはどうするのですか?
すべてのゴミをなくすことはできません。
だから
・安全な土地を整備する
・地面を固める
・危険な廃棄物を避ける
などをして学校を建てます。
同時にゴミの仕事以外の未来を作ることも大切だと思っています。
⑧ 価値観の違いで対立することはありますか?
あります。
日本とアフリカでは
・時間の感覚
・仕事の進め方
・考え方
が違います。
でもそんな時は「どちらが正しいか」ではなく
「どうしたら一緒に進めるか」を考えます。
対立は悪いことではなくお互いを理解するチャンスだと思っています。
⑨ なぜそんなに面白いことを言えるのですか?
実は特別なことはしていません。
ただ、いつも
「どうしたら相手が喜んでくれるかな?」
ということを考えています。
面白いことって、とっさに急にできるようになるものではありません。
やっぱり、少しずつ努力してきた人ができるものだと思います。
例えば僕は、
・テレビのバラエティ番組を見て
「今の発言はなぜ面白いんだろう?」と考えたり
・面白い人が、どんなタイミングで話しているのかを研究したり
そんなこともしています。
でも一番大事だと思っているのは、自分が嬉しかったことを、相手にもしてあげること。
人は、自分が嬉しかったことを誰かにもしてあげたくなるものです。
そうやって誰かが喜ぶ
↓
また誰かが嬉しくなる
そんな輪が広がっていくと、世界は少しずつ楽しくなるんじゃないかなと思っています。
そしてもう一つ大事なのは、自分が面白いことを言うだけじゃなくて、相手の面白いところを引き出すこと。それができる人が、本当に面白い人なんじゃないかなと思います。
⑩ 日本とアフリカで大きく違うと思ったこと
一番違うと思ったのは
「幸せの感じ方・見つけ方」です。
日本はとても豊かですが忙しくて笑う時間が少ないこともあります。
アフリカでは大変な状況でも
・歌う
・踊る
・笑う
人がとても多いです。
その姿を見て幸せはお金だけでは決まらないと感じました。
いかがでしたか?
お忙しい中、非常に読みやすく、丁寧にご回答をいただきました。
銅冶先生、ありがとうございました!