第12期第5回講義は、株式会社DOYAの代表取締役社長であり、 特定非営利活動法人CLOUDYの代表理事である銅冶勇人先生をお招きし、「アフリカにTシャツを送らなかった理由 〜見て、感じて、動きたくなる未来のヒント〜」というテーマのもと、アフリカの現状と、自ら行動することの大切さについて学びました。
講義は、スワヒリ語の挨拶「ジャンボ!(こんにちは)」から始まりました。
皆さんは、アフリカのイメージとしてどのようなものが思い浮かぶでしょうか。この問いに対して、学生からは「貧困の人が多い」「ライオンやゾウが住んでいる」などの意見があがりました。実際、アフリカには多様な民族が暮らし、野生動物も多く生息しています。また、陸上競技などのスポーツが盛んな一面も持っています。
その一方で、サハラ以南のアフリカでは現在でも、およそ3人に1人の子どもたちが学校に通えていません。この現状から、銅冶先生はこれまでに7つの学校を建設し、約5000人の子どもたちに教育の機会を提供してきました。これらの学校では、教育だけでなく給食も提供されています。毎日食事をとるための十分なお金が無い家庭も多くいるためです。私たちが毎日ご飯を食べられている状況は当たり前ではないのです。
現在、銅冶先生は、ガーナの首都アクラに8つ目の学校を建設しています。この場所は西アフリカ最大の産業廃棄物投棄場とされ、ガーナ国内だけでなく日本などの先進国から届いた大量の廃棄物が捨てられています。このような環境では、ごみの焼却による環境汚染・健康被害や、教育機会の不足などが問題となっています。新たな学校の建設は、子どもたちを取り巻く環境の改善に向けた大きな一歩となることが期待されています。

今回の講義のキーワードとして、「やってもやらなくても良いは、まずやってみる」という言葉が紹介されました。これは、先生が小さいころから大切にしてきた言葉で、様々なことにまず挑戦してみて、行動してみてから判断することが重要だという意味が込められています。皆さんも、少し違和感を感じることにも積極的に飛び込むことが、新しい世界への第一歩へと繋がります。銅冶先生から、この前向きな姿勢を大事にしてほしいというメッセージをいただきました。
銅冶先生のアフリカとの出会いは、大学4年生のときに訪れたケニアへの卒業旅行です。銅冶先生は、ごみが山積みになり、衣服やトイレが十分に整っていない中で生活する人々を目の当たりにして、自分の当たり前が通用しないことを実感しました。しかし同時に、そのような環境の中でも幸せそうに生活する人々の様子を見て、幸せの価値観が世界共通ではないことを学びました。
日本などの先進国では、アフリカの国々にTシャツを寄付するという取り組みが行われています。しかし、それは、現地で衣服を作る人・売る人・直す人の雇用を奪っていることを意味します。私たちが素敵だと思って行動していたことが、現地の人々を苦しめている可能性があるのです。このような現状から、銅冶先生はアフリカの人々を支援するにあたり、物品を「配る」のではなく「一緒につくる」ことで、現地に雇用を生みながら教育支援や様々な挑戦を続けてきました。現在では、約700人の従業員とともに、衣服の製作・販売を通して雇用創出と教育支援に取り組んでいます。
講義後半では、アイデアを考えるゲームを行いました。ゲームの内容は以下の1から4を紙に順番に書きだし、それらを組み合わせて、実際にあったら良いものを考えるというものです。
1.自分の好きなものの名前
2.誰か思いつく人の名前
3.思いつく場所の名前
4.1から3で書いた好きなものや場所に関して「変だ」、「嫌だ」と思うこと
例えば、
1.えんぴつ
2.自分
3.学校
4.なくなる
と書いた際に「名前が消えないえんぴつ」などが思いつきます。
ゲームを通して、学生からは様々な面白いアイデアが発表され、会場は大いに盛り上がりました。

また、このように、小さなヒントや気づきから生み出したアイデアですが、このアイデアが他の人が思いつかないアイデアになったり、時として社会貢献に繋がったりすることがあります。ゲームを通して、考え方を工夫することで新たなアイデアを生み出すことができることを学びました。
最後に、銅冶先生から先述した「やってもやらなくても良いは、まずやってみる」という考えが今の自分を作っているという話をしていただきました。その話を踏まえ、学生に向けて、「今後やりたいことが見つかったとき、それが必ずしも正解の夢でなくても、まずは一歩を踏み出してみて下さい」という言葉で講義は締めくくられました。
世界にはまだまだ知らない世界が広がっていること、そして、一歩を踏み出して挑戦することの大切さを実感する講義でした。
銅冶先生、第5回講義ありがとうございました!
