子ども大学グローバル
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「第6回講義+修了式」終了しました。

2025年3月1日に行われた第6回講義は、国立天文台より平松正顕先生にご登壇いただきました。テーマは、「宇宙はどのような姿をしているのか ~最先端の天文学が迫る宇宙の謎~」です。

ビックバンってどんなもの?銀河はなぜ渦巻?地球学生命はいるの?そんな宇宙の謎を解き明かすのが、天文学者です。そして、望遠鏡も駆使し、「宇宙を調べる機関」であるのが、国立天文台です。
平松先生は、天文学の中でも、特に、宇宙から電波をキャッチして宇宙の姿を解き明かす、電波天文学の専門家。星がどのように生まれてきたか、なぜ大きくなれなかったかを研究されています。

講義前半は、「Mitaka」というソフトを使って、宇宙はどうなっているのかを見るために、学生の皆さんを宇宙旅行に連れて行ってくださいました。


まずは、第6回講義の当日、2025年3月1日20:00の夜空から、地球から飛び出し、そして太陽系全体へ。太陽系の端まで来て、100天文単位。さらに、進んで、30光年すすむと、ようやくベガが見えてきました。
1000光年、10000光年、、、そして、ようやく銀河系です。1億光年からみると無数の点々が見えてきましたが、それ一つ一つが銀河!地球のある太陽系のある銀河系が無数にある状態です。いったいどれだけの星があるのでしょう。そして、100億光年、無数の銀河が扇形のように見えてきました。そこが今、天文学者は様々な望遠鏡で宇宙を見つけきた宇宙の地図の途中壮大の一言です。

一気に地球まで戻ってきて最後に見えたのは、2027年3月1日の地球。「MITAKA」では未来の宇宙も見えます。そうするとたまに見えてくるのが、小惑星が地球にぶつかるかもしれない!という動き。

今まさに、その話題が出てきていますが、この小惑星が見つかったのは2024年12月27日。
ARLAS望遠鏡で日々観測をしていますが、まだまだ見つかっていないものはたくさんあります。そしてもし、ぶつかりそうな小惑星が見つかったら、小惑星に探査機をぶつけて軌道を変える方策が考えられています。

そんな望遠鏡ですが、さて、宇宙について見てきたところで、それを観測する望遠鏡のお話へ移ります。皆さんが見たことのある望遠鏡は、おそらく、宇宙から飛んでくる光をとらえる望遠鏡ですが、望遠鏡で観測できるものには、X線、紫外線、赤外線など、目に見えない光の仲間のようなものもあります。その中で、「電波」の一部をとらえて観察できる望遠鏡があります。

では、電波で宇宙を調べるとは、どういうことか。これで宇宙を見ると、宇宙に存在する電波が見えます。目に見えない宇宙に浮かぶ雲を見ることができるのです。
世界にも様々な巨大電波望遠鏡がありますが、直径500mの巨大望遠鏡がある中、それでもまだたりないそこでできたのが、アルマ望遠鏡です。

一つの大きい望遠鏡を作るには限界があるので、国際協力の下、小さいアンテナをたくさん並べて一つの大きな望遠鏡にする仕組みです。アルマ望遠鏡を、一般的な視力で表すと、なんと視力12000!!! そんなアルマ望遠鏡から、さまざまな発見が次々に生まれる中、2019年にはついに、ブラックホールの写真も撮れるようになりました。そして、あらたな発見がまだまだ続々と生み出されています。

このように、昨今の観測は、国内だけではなく、世界と一緒に研究をするのが主流なのだそうです。ブラックホールの撮影は、世界から350名が参加して、2019年に撮影されました。そこに携わる人々は、天文学者だけでなく、機械やコンピュータを作る技術者、輸出入の専門家、翻訳家など、さまざまな仕事をしている人がいます。色々な仕事が宇宙につながっています。

天文学は、私たちが住む世界を知る道具です。
教科書に載っている宇宙の姿は天文学が解き明かした世界でもあります。地球が丸いことも、地動説も、宇宙はビッグバンという始まりがあったことも天文学で証明されました。
天文学のために開発された技術も、社会に浸透しています。Wi-Fiに必要な技術を発明したのも電波天文学者です。

研究は、今の常識を新しい常識に変えていくことです。
今はまだ分からないダークマターの正体も、今後分かって、常識が書き換えられていくかもしれません。知りたい謎を解き明かしたいという好奇心が原動力に、今後のアップデートが楽しみですね。

今回は、第11期の最終講義ということで、学長の内田伸子先生もご参加いただき、修了式が行われました。子ども大学グローバルはまた、今年の5月初旬から学生募集をし、6月より第12期がスタートする予定です。また第12期もワクワクする学びを届けます!