6月22日(土)に、子ども大学グローバル第11期の第1回講義+入学式を実施しました!
子ども大学グローバルは今期も引き続き、水戸・つくば・東京の配信会場にて学生の現地受講を受け入れる「移動型キャンパス」を展開し講義を実施します!どこでも受講できる「オンラインキャンパス」も実施し、様々な受講形態に対応しています。
子ども大学グローバルは更に大きな学びの場となっており、北海道から沖縄といった日本全国からだけでなく、アイスランドや「子ども大学」発祥の地であるドイツなど世界各国からも学生が参加!300名以上の学生とその保護者と共に学びを深めて行きます。
入学式では、子ども大学グローバルの学長、お茶の水女子大学名誉教授・内田伸子学長より子ども大学グローバルで1年間学んでいくにあたって大切な心がまえや学ぶ事の重要性、親子で共に学んで欲しいという式辞を頂きました!

岡本弘毅理事長からは、講義を受講する上での学ぶ姿勢や今期にスタートしたカンボジアに学校を建設する「子ども大学グローバル カンボジア学校プロジェクト」についてお話頂きました。
さあ、いよいよ第11期のスタートです!
第11期最初の講義となる第1回講義では、「この世界をつくる究極に小さい粒、素粒子を測ってみよう~素粒子から宇宙のはじまりを調べる~」というテーマのもと、早稲田大学理工学術院研究院准教授(加速キッチン代表)田中香津生先生にご登壇いただきました。
みなさんは、宇宙の始まりについて知っていますか?
水戸キャンパスの学生らからも声が挙がりましたが、宇宙は「ビッグバン」が起きて生まれました。
田中先生は、小学生の頃に本を読んで、宇宙が最初は点から始まりビックバンが起きて生まれたと知ったそうです。しかし当時、先生はそれは本当なのかと疑問に感じ、大人に聞いてみたところ、お茶を濁されるか、本を読みなさいと言われました。だれも宇宙の始まりを自分の目で見たことはないので自分の言葉で説明するのは難しいのです。
このように周りの大人に聞いてみても、ちゃんと教えて貰えず悲しい経験をした田中先生でしたが、大好きな伝記を読んでいると、物理の研究をしている人は同じような悩みにぶつかっていることに気づいたそうです。その研究者たちは「なぜだろう?」と思う事に立ち向かうために物理の研究を始めています。これが田中先生が物理を研究する道へ進むきっかけとなりました。

先生は研究者になってから、ビックバンが本当に起こったのかを自身の手で調べ、しっかりと考えられるようになりました。宇宙が生まれた約140億年前の光をマイクロ波といいますが、これを大学生の時に自ら測ったそうです。
マイクロ波を測れるアンテナを自身の手でつくり、自分のもっていた疑問を解決した田中先生。学生らに対して、「同じように何か分からないことがあって解決したいのであれば、論文を読めるようになることや大学に行って勉強することがカギになるよ」と伝えてくださいました。

これまで世界で多くの人が研究してきた素粒子。しかしまだまだこれから研究が進んでいく面白い分野があるそうです。それは宇宙線です!これは宇宙から地球に降り注ぐ素粒子のことをいいます。
講義では実際に霧箱という装置を使い、宇宙線が地球に降り注ぐ様子を観察しました。普段は目に見えていないけどたくさん降り注いでいるという宇宙線が、シュッシュッと飛ぶ様子を見て水戸キャンパスの学生は大盛り上がり!オンラインキャンパスの学生らも「なにこれ?!すごい!」と大興奮でした。
霧箱は身近な材料で1000円ほどで自作できるため、学生の皆さんにはぜひ家で実際に講義での学びを再現してみてほしいです。
続いて、宇宙線が通ると光る検出器、「簡易宇宙線検出器」の仕組みについてのお話をいただきました。学生らは、宇宙線を検知し機械が光る度に興奮した様子でした!
こういった宇宙線を測るには大抵大きな土地と大量の機械が必要になります。しかし田中先生は、簡易的に宇宙線を測ることが出来る検出器をたくさんの学生が持ち、みんなで測れるようになればとても面白いんじゃないか?みんなを巻き込んだら、大きな実験にも勝てるのではないか?という野望を持っているそうです。この野望を実現するために、先生は「加速キッチン」という会社を設立し、実際に中高生にも検出器を配り、実験をしてもらっています。

実際に講義では、加速キッチンで活動をしている学生の方にもお話頂きました。彼女は、高校生の頃から、世界の研究者と交流をしたり仲間と共に知りたい・調べたい事に対して熱心に取り組んでいらっしゃいます。

田中先生は、もっとみんなにも素粒子について難しいと思わずに、自分の手で実験したり研究してみてほしいと伝えてくださいました。素粒子の研究はみんなできるよ!と。
現在では、中高生の学習に探究活動が取り入れられるようになりました。高校では一年かけて研究をするところもあります。そういった機会に、挑戦を恐れずに自分の関心を持った分野についてぜひ探究してほしいとのことです。
「探究は『一歩目』が大事。勇気を出した人のところにチャンスは舞い込んできます。ダメと言われても損をすることはありません。まさしく「ノーリスクハイリターン」なのです。」田中先生はこの言葉で講義を締めくくりました。
学生の皆さんには子ども大学グローバルの講義を通して興味のある分野ができたら、ぜひ恐れずに『一歩目』を踏み出し、どんどん機会をつかみに行ってほしいです。
田中先生、第1回講義ありがとうございました!

本日の司会進行の担当者は、学生部実行委員の大津弦将でした!
